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世界くらべてみたらで話題になったタカオカの麦チョコのつくり方

7月1日は麦チョコの日 夏でも食べやすいチョコレート麦チョコ開発秘話

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世界くらべてみたらで話題になったタカオカの麦チョコのつくり方

2025年2月12日TBS世界くらべてみたらのチョコレート総選挙でタカオカの麦チョコは4位でした。

そのあたりの話はくわしく公式noteで詳しく書いてます。→こちら

関西地区では放送してなかったので放送中にエゴサーチしてて気づいたのが高岡食品工業の皆さんがタケノコ派で堅実とか謙虚という反応と数秒しか紹介されてない麦チョコの作り方への関心。

作ってるところ初めてみたとか
機械化されていないとか
まさに職人の手作業やん!とか

皆さんが某サイトで検索してみているであろう麦チョコの作り方のサイト動画があまりにも古いので、手作り感しか伝わっていないのが悔しいので

令和時代も変わらないタカオカ麦チョコの作り方を紹介してみます。

タカオカのむぎチョコとは

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1972年の発売以来、製法を変えずに作り続けているロングセラー商品です。香ばしい麦のポン菓子にチョコレートのコクとビターな味わいがベストマッチ。

タカオカの麦チョコは発売当時から50年以上製法は一切変えていません。

他の会社の麦チョコの製造事情は知るよりもないですが、おそらくこのようなスプレー式ですね。

機械化で効率がいいので、大量生産可能ですが、タカオカの麦チョコは発売当初からの昔ながらの手作業によって手間ひまをかけて製造しています。

タカオカの麦チョコはいわゆるハンドレボルビング製法です。

映えているポン菓子大爆発よりも知って欲しいのが、麦パフへのコーティングの仕組みとこだわりタカオカのむぎチョコの作り方は、1972年誕生当時から変わっていません。

大きな回転釜にポン菓子を入れ、チョコレートをまとわせるのがその作り方です。

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たこつぼと呼ばれる回転釜

たこつぼと呼ばれる銅製のレボルビング・パン=中のモノをドラム式洗濯機のように回転させるコーティング用の釜を使います。
重さ400キロくらい。銅を手作業で叩いて伸ばしてつくってるので大きさも口のサイズも回転数もまちまち。現在では製造が難しいという代物。

大まかな流れは
①ポン菓子にフレークとペーストがけ
⓶艶出しと蜜糖がけ
③光沢剤て乾燥

麦チョコの麦はいわゆるポン菓子。
そのポン菓子の元がこちら

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原料の麦を圧力窯に入れて回転させて圧縮
蓋を開けると爆発して10倍くらいの大きさに膨らみます。

この時点でサクサクでおいしいポン菓子。

溶かしたチョコレートソースをかけたあとにチョコレートパウダーをかけます

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動画でいろいろ言われてますが、現在の製造は素手ではありません。

チョコソースやパウダーを入れて攪拌させることでポン菓子にチョコを馴染ませてていきます。

上からぶら下がってるゾウの鼻のようなのノズルは温風や冷風を出す装置

業務用のスポットクーラーのように釜の中をピンポイント冷ましたりするため

攪拌時には温風でチョコ溶かせてなじませます。なじんできた、頃合いを見てダクトを外します。

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製造途中でまだツヤがない麦チョコ。

表面の凸凹が多いとコーティング中にチョコレートが凹面上に溜まり、他のセンターだまのような塊になってしまいがち。そのためにくっつかないように冷やすとのこと。

化粧の下地と同じで凸凹だとなじみにくいしはがれやすいのです。スプレー方式だとそのあたりの調整が厳しいと予想されます。

乾燥させる時はダクトの風を冷風に切り替えて乾かせます。

タコつぼの中で麦チョコがぶつかり合うことで熱が生まれるため、強めの冷風でチョコを冷却します。

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ポン菓子→チョコパウダー→チョコソース→乾燥

のイベントを5回繰り返して5層のコーティングを行います。

なめらかな5層のチョココーティング層ができたら蜜糖がけてまた乾燥。

最後にアルコールの入った光沢液でツヤが出れば、麦チョコのできあがり。

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光沢剤がものすごいアルコールなんですよ。私は下戸なので空気だけで酔っ払ってしまいました。

世界くらべてみたらでもメキシコのショコラティエさんが話してましたが、薄く均一にコーティングするのがほんとうに難しいそうです。

機械化してる場合はスプレーでかけている場合が多いとのこと。
その場合はムラができるし、その分はがれやすいとか。

夏場に溶けてしまうのもそのあたりが原因のようですが、タカオカの麦チョコが夏場でもとけにくいの丁寧な手作業コーティング工程のおかげであるともいえます。

たこつぼをよく見るとわかるんですが、口の大きさも回る速さが個体によって違います。

それを同じ時間に動かして12個同時に製造を行います。

一つの窯でできるのが30キロなので
麦チョコは1袋13ℊだから2300袋×12=27600袋
一度に27000袋分を作成

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だんだんコーティングされてなめらかになっていきます。

日によって湿度も気温も違います。
作業する中でかなり気温があがりますし、たこつぼの大きさも回転スピードも違うわけですが、判断するのは培ってきた経験からの肌感覚。

回しながらなめらかになるまで冷風で冷やしていくのですが、なめらか肌でコーティングしないと光が反射しないので艶も出にくいそうです。

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完成した麦チョコ。後は包装するだけ。

全工程を見学したのですが、トータルでは3時間半くらい。

他社の麦チョコわからないですが、機械でかけるより均一できれいに微調整するので時間がかかり大量生産には向いてません。

タカオカの麦チョコは口当たりのなめらかなチョコと細やかな手作業と技能者の技で作り上げてることと、他の麦チョコより手間暇をかけてることだけは覚えて帰ってください。