朝日放送の「ビーバップ!ハイヒール」でタカオカチョコレートの歴史が紹介されました

2014年のバレンタイン前日2月13日(木)、大阪朝日放送の『ビーバップ!ハイヒール』でタカオカチョコレートが紹介されました。

大阪・朝日放送 6チャンネル(関西ローカル)
毎週木曜午後11時17分~12時17分
ナイトinナイト『ビーバップ!ハイヒール』
ハイヒール(番組司会進行)・筒井康隆(作家)・江川達也(漫画家)ほか

番組内容   テーマ内容を視聴者にわかりやすく、面白く伝える
       「知識教養バラエティ番組」。再現VTRを軸に展開。
特集内容    ・・・百貨店で売られている高級海外チョコも良いけれど、
       実は日本のチョコもすごいんです!・・・をテーマに、
       日本のチョコレート製造技術の高さや、情熱の熱さ、
       今では当たり前の商品に隠された並々ならぬ努力を紹介。

 

それでは、番組で放送された再現VTRの元になったスクリプトをご紹介します。

あの人気商品はこうして開発された
「むぎチョコ」
ー麦にチョコレートを掛けてみたらどうだろうか

1877(明治10)年、兵庫県尼崎に菓子問屋が開業した
 創業者は高岡宗十郎。後のチョコレート専業メーカー高岡食品工業の前身だ。同社は1921年にはパンと焼き菓子の製造も始め、さらに43年(昭和18)年には兵庫県から配給用パンの製造工場に指定されるなど事業を順調に伸ばしていった。
 第2次大戦中には社屋が空襲で焼失したが、終戦後の45年には製粉・製パン業として復興し、飴菓子、羊羹、チョコレートなどの製造も始めた。といっても終戦間もない物資不足の時代だ。チョコレートをつくるうえで重要なカカオ豆も思うように手に入らない。そのためチョコレートというよりはココアをまぶしただけの菓子だったが、それでも飛ぶようにうれた。

同社のチョコレートづくりのポリシーは安くておいしいチョコレートをつくること
 その発想の原点は3代目社長の高岡康博氏(故人)にある。康博氏は子供のころ両親に買ってもらうチョコが大好きだった。青年期に戦地に赴いたときにも、チョコの夢を見るほどチョコに魅了されていた。戦争が終わると子供たちにいっぱいチョコレートを食べさせてあげたいという夢をふくらませて帰国した。しかし、帰国後目にしたのは進駐軍の米兵が配るチョコレートに群がる子供たちだった。その光景を目にした康弘は、日本の子供たちには日本のこの地でこの手でつくったチョコレートを食べさせる、そう固く決意した。
 その後1953(昭和28)年から高岡食品工業は本格的にチョコレートの製造に取り組み始めた。当時としては画期的なひとつの工場でカカオ豆の焙煎から一貫して生産できるラインをいち早く構築し、多くのチョコレート製品を世に送り出して行った。

暑いときでも溶けにくいチョコができないか
 チョコレート事業も軌道に乗った昭和40年代半ばのことだった。 康博氏はある新製品のことで悩んでいた。チョコレートの主な原料は、カカオマス、ココアバター、砂糖、粉乳、植物性油脂だが、溶けにくくするには植物性油脂の配合率が決め手となる。そんなことに思いを巡らせていたとき、ポン菓子を扱う知人からある提案を受けた。「麦のポン菓子にチョコを掛けたらどうか。」と。ポン菓子とは、米や麦などの穀物に一旦圧力をかけ、そのあと一気に減圧すること膨らませた駄菓子だ。そこにチョコを掛けたら…。暑い時期でも溶けにくいチョコのアイデアとポン菓子にチョコを掛けるという提案とが一致した。早速試してみることにした。

麦のポン菓子にチョコレートをコーティングする
 単純な菓子のようだが、いざ作るとなると一筋縄ではいかない。チョコが少なければ本来のチョコのおいしさにならない。掛けすぎれば麦の粒がチョコでくっついてしまう。ひと粒ずつにムラなく均等にチョコをコーティングするにはどうすればよいのか。銅の回転釜にポン菓子を入れ、回しながらチョコを注いでいく。チョコを注ぎながら、どれくらいの量がいいのかを追い求める。送風で乾燥を促しながらチョコをコーティングすればポン菓子同士が付着しないのではないか。冷風がいいのか、温風がいいのか。そんな試行錯誤を2年間繰り返した。そしてついに1972(昭和47)年に「むぎチョコ」が完成した。

子どもたちが小遣いで気軽に買える
 「発売した当初、チョコの苦みが子どもの菓子に向いているのかどうか心配しました」。むぎチョコ開発の現場に立ち会った康博氏の伴侶で現在の会長である和子さんはそう当時を振り返った。しかし発売してみるとむぎチョコは飛ぶように売れた。発売当時は駄菓子屋で量り売りされていたが、間もなく小袋入りの商品で販売するようになった。価格も子どものお小遣いで買えるようと1袋30円にした。「むぎチョコ」は今年で発売40年周年を迎えたが製法は発売当初からいっさい変えていない。価格も変えていない。子どもの小遣いで気軽に買える安くておいしいチョコ。そのポリシーは変わらない。
 「おいしさは心をこめてつくらないと出来上がらない」(高岡和子さん)。それがタカオカチョコレートのものづくりの信念であり「おいしさ愛」というフレーズに顕れている。さらに商品開発・戦略について、「世の中の好みに合わせながらも独自性を大切にしていく」とその方向性は明確だ。子どもが気軽に買えるチョコレート。つぎはどんな商品を開発されるのかが楽しみだ。